Petri net

ペトリネットというのは、詳細は Wikipedia の説明にお願いするとして、簡単にいうと並行分散システムをグラフィカルに記述するための数学的手法です。
最近、マルチコアプロセッサが普及してくるにつけ、特に組込システムにおいてプログラミング技術のさらなる向上が求められ始めています。頑健で安定したシステムを記述するには、ペトリネットや CSP のような基礎理論は今まで以上に重要になっていくように思います。
というわけで、積読してあった和書(下記)を引きずり出して読み始めたのですが、いきなり集合論の数式がずらずら出てきて、ちょっと辟易しました。どうしてこう、日本人の書く書籍は堅苦しく無味乾燥なものが多いのでしょう。自らの知識を披瀝するような書き出しは、著者の自己満足(自身の研究の足跡)を喧伝するには良いかも知れませんが、教育書としてはどうかなあ、と思います。
そういえば以前、論文指導教授に「いやあ、学術書は売れないよ。特に、日本語で書かれた本はなおさらだと思うよ」と言われたことを思い出しました。数の論理もあるので、やはり英語で書かれた本には適わないのでしょう。数が出る本であれば、執筆者の意気込みも違うと思われます。
もう一つ。よく言われることですが、海外の先生の書かれた本を読むと、その知識の広さにいつも驚かされます。専門分野だけでなく、歴史や文学など様々な造詣が深い先生が多いのです。筆頭としては、Donald E. Knuth 先生などが代表でしょうか。

参考

ペトリネットの理論と実践 (システム制御情報ライブラリー)

ペトリネットの理論と実践 (システム制御情報ライブラリー)

これ(↑)は、ちょっとお勧めできません。これ(↑)は、私が初めて出会ったクヌース先生の本です。これは、バイト先のしゃちょーに買ってもらった思い出深い本です。ずた袋に入れたまま、通学時にいつも持ち歩いてました。仕事に必要だったのですが、きちんと理解できず仕舞でした。
なお、私がちょっと興味ある Petri net の参考書は下記ですが、ちょっと高いなあ。そんなこと言っている場合じゃないか。英語で良いので、お勧めの本をご存知の方は是非ご紹介お願いします。
Discrete, Continuous, And Hybrid Petri Nets

Discrete, Continuous, And Hybrid Petri Nets