アイドリングストップは、バッテリーに厳しいか

最近クルマの燃費向上に興味を持っていて、発進時に周りに迷惑をかけないようにしながら如何にチンタラ加速するか、とか、いかに効率的にアイドリングストップするか、とか考えてます*1。まだまだダメなのは、前方の信号をよく見てないので、加速直後に赤信号にブチ当たったりすることです。これを直せれば、あと 0.5km/L くらい稼げるんじゃないか、って真剣に考えてます。
アイドリングストップをしてて一番気になるのは、結果として、セルモーターやバッテリーの寿命が短くなるんじゃないか、ってことです。寿命のほかに、アイドリングストップをし過ぎて、オルタネーターからの充電が間に合わなくなるんじゃないか、ってのも心配です。つまり、長じてみると過放電になってないか、ということです。
セルモーターの心配をしても始まらないので、簡単そうなところでバッテリーを考えてみます。クルマのバッテリー容量を 30AH として*2セルモーターを回すのに 3C の放電率と仮定します*3。もしバッテリーの容量が放電率に関わらず一定なら、20分回して完全放電になります。ま、完全に放電したらセルモーター回らないけど、ここでは容量の話をしているので、これで良いでしょう。実際には、バッテリーの放電負荷が重いと容量は減ってきます。松下の鉛蓄電池の情報から概算すると、だいたい 3C 放電で 50% 程度まで容量が落ちてしまうので、実効 15AH くらいと考えられるでしょうか。結果として、10分くらいの放電で完全に放電してしまうでしょう。
さて。エンジンをかけるのにセルモーターをどのくらい回していますかね。きちんと測ったことはありませんが、最近のクルマなら 1秒くらいで十分に思います。上記から計算すると、1回エンジンをかけるのにバッテリーの 1/600 くらいの容量を必要としている計算になりますね。私が予想していたよりも、大した負荷ではないように思いました。もっとも、バッテリーの寿命が近くなっていて、また、厳寒期の場合はもっとつらいでしょう。

充電のほうはどうか

大雑把に言って、1回のエンジン始動で 0.2% くらいの容量を消費するのではないかという概算となりました。今度はオルタネーターによる充電レートを考えなくてはいけません。この場合、オルタネーターの出力と、バッテリーの適切な充電電流と、どちらがより強いファクターなのでしょうか。エンジンの定常出力を 10KW と仮定して*4、そのうちオルタネーターで利用できる電力を 1%*5 とすると 100W となります。また、ガソリンを使う発電機の小型のタイプで 100VA 程度の出力なので、オルタネーターの出力もこれくらいと考えて良いでしょうか。一方、バッテリーの急速充電の 0.2C を電力換算すると 90W くらいになります。どちらが大きなファクターかという絶対的な差は結論できませんでした。
さて。車載のバッテリーはどのくらいのレートで充電されているのでしょうか。バッテリーの過放電のことを考えると 0.2C くらいで充電できないと困りそうですし、バッテリーの寿命を考えると、0.02C 程度でトリクル充電していると考えるべきかも知れません。まったくの想像ですが、ここでは前者の説得力が高そうなので*6、満充電の検出付き、あるいは充電電流可変で、ただし安全を考えて 0.1C 充電されていると仮定してみます。そうすると、完全放電から満充電まで 12時間くらいはかかる計算になります。
結論としては、バッテリーの始動に消費した 0.2% の容量は、ざっくり考えて(やや厳しく見積もったとして) 1分半くらいの走行で元に戻るという感じでしょうか。1日あたり数十回のアイドリングストップによるバッテリー寿命の低下の度合いは分かりませんが、過放電の心配はそれほどしなくても良さそうです。
以上、いろんな web サイトで集められる情報からアバウトに見積もった結果です。もしかすると数倍の誤差があるかも知れませんのでよろしくです。

*1:ときおり、真剣に思います。プリウスはずるいぞ。走行中にエンジン止められて!

*2:この辺は仮定が楽だが、この後が分かりにくい。

*3:この数字は、某社ロードスターセルモーター出力が 0.95kW ということから、大まかな予想。

*4:すごい誤差があっても許して。10倍は違わないでしょ?

*5:これは 10倍くらい誤差ありそう。あてにしないでください。

*6:詳しい方、教えてください。