仮説から現象の説明まで

今日は、夕方からお客様と電話会議でした。とある障害報告で、その問題切り分け方法について 2時間ほど議論しました。
お客様から根本原因の推定についていろいろ訊かれて、件の同僚はお得意の DMA 話の披露を始めました。話し出すと止まらない。でも、どう考えても今回の障害の原因とは思えません*1。仮説を提起するのは良いとして、その仮説が正しい場合に、どのような推論を経れば現象を説明できるのか、という考えなしに話を進めていくので、大抵の場合、お客様に突っ込まれてしまいます。こちらも自社の人間が演説を始めて、お客様も一生懸命聞き入っているのに、「それは関係ないんじゃないですか?」とも言えず、取り敢えずお客様の反応を待ちました。予想通り、お客様(の課長さん)から「それが原因だとすると、事象的にどのように観察されるのですか?」と突っ込まれ、またトンチンカンな説明を続けていました。会議は白けまくりです。
そもそも今回の問題は、ソフトウェアの視点から見ると完全に決定論的な話*2なので、DMA のバス取得優先順序が変わったって、また、それによってタスクのコンテキストスイッチが影響を受けたとしても、問題となるような現象は見えて来ないのでした。秘密保持契約があるので、この辺にて。
それにしても、どのような問題報告に対しても自分の得意とする分野から押し込もうとするのは、如何なものか?

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*1:風が吹けば的に、非常に稀有な可能性で相互作用していれば別ですが。

*2:ここでは単純に、多重プログラミングによる競合状態が存在したとしても、関連する事象の生起順序は影響を受けず、よって演算結果が変わることはない、程度の意味。