使えないバックアップソフトが多すぎる

以前にも書いたのですが、バックアップソフトというのは、バックアップの機能もさることながら、いざというときに心に余裕を持ってリストア(復元)ができることが第一の条件です。ここで不愉快な思いをすると、二度とそのバックアップソフトは使いたくなくなることでしょう。
参考: http://d.hatena.ne.jp/ayokoyama/20041010/p1
今日も、実に不愉快な思いをしました。とある事情でメールフォルダの一部を飛ばしてしまったのですが、バックアップができていなかったことが判明。Connected とかいう会社のバックアップツールなのですが、バックアップ対象にしてあったはずのメールフォルダがなくなっています。私は、顧客情報漏洩の危険を避けるため、そのような情報はすべて PGP Disk の仮想ドライブに置いているのですが、どうも(まだ完全には確認できていないのですが)、バックアップ時にそれらのドライブ(DOSWindows でいうとこの D: とか E: とか)がマウントされていないと、以後「永続的」にバックアップ対象から外されるのみならず、せっかくのバックアップも削除されてしまう「ことがある」*1ようなのです。これって、全然役に立たねぇ!! 怒り心頭です。
怒りを抑えつつ、別のバックアップを探します。バックアップというのは、多重でとるのが常識です。私のもう一つのバックアップは Norton Ghost (いまの Symantec ですが)です。非常に使いづらいので滅多に利用していなかったのですが、今日起動してみたら、

利用期限が過ぎたので、もう使えません

みたいなメッセージが出てきて、リストア処理もできないではないですか。まさか、リストア機能に利用期限があるとは思わなかった。それって、詐欺の一歩手前です。
冷静に考えて、私の購入は年次契約(annual subscription)等ではないはずなので、有効期限があるとは思えません。もう一度、Norton Ghost を再インストールしてみることにしました。(後記: 再インストールしようとしたら、まずはアンインストールが始まって、システムの再起動を要求されて、今度は本当にインストーラが立ち上がり、また再起動を要求されて。疲れ果てました。私の Windows XP は、起動後定常状態になるまで 10分くらいかかるので。)
だけど、あれですね。いずれにしても、人間がもっとも弱い心理状態であるところのリストア作業で、「利用期限が過ぎているので…」なんて表示を出されると、もうそんなソフトは二度と信用できなくなります。バックアップというのは、もっとも一般的なフォーマットで、もっとも一般的なメディアに格納しておくのが一番大事だということを、改めて痛感しました。流行のバックアップソフトを使っている人は、一年に一回くらいわざとディスクを飛ばしてみて、ちゃんとリストアできるかどうか確かめたほうが良いでしょう。頼れる友人というのは、一番困っているとき、また弱り目な時に手を差し伸べてくれる人のことです。バックアップソフトもおんなじです。

一番信頼しているバックアップ

一番良いのは消去のできないメディアである CD-R や DVD+/-R に定期的にバックアップすることだと思います。過去のメディアも残しておけば、どの時点にでも戻れます。書いた後は、Cygwin の diff -rq などでベリファイしておくと完璧です。遠隔などにあって diff -rq できないときは、md5sum -b コマンドなどでメッセージダイジェストを比較すれば、まず間違いないでしょう。
次善策として私が使っているのは、Unix 系 OS ならば予備のディスクを常時接続しておいて定期的に dd でインクリメンタルバックアップですね。操作ミスで飛ばしたり、悪意を持ってディスク全体を消去されたりするのには対応できませんが。
Unix でも Windows でも使える方法として、rsync を使って遠隔サーバーにバックアップするのも良いのですが、Windows のファイル属性が全て失われる、という欠点はあります。ま、POSIX rwx 以外の属性が落ちても一般ユーザーはあまり困りませんが、デリケートな Windows アプリで、この辺に敏感なものもあるので 100% OK とは言い切れません。
最後は、あまりお勧めしませんが Windows 標準のバックアップツールですかね?

*1:常に、ではないらしい。どうも、システム終了時などに、 PGP Disk のアンマウントと Connected のシステム状態の退避作業が競合状態となると、バックアップ対象リストを失ってしまうような雰囲気。厳密にはチェックしようがないけど。