そのニュース、本当ですか?

かえってフレーミングを起こすのは本意ではないのですが、あえて書きます。
最近、ネット上の情報を眺めていると、出典の不明確な、中傷としか思えないようなニュースに出くわすことがあります*1。特に、隣国関係が絡むと、本当に日本人はエキサイトしてしまう。これは日本だけでなく、世界中を見渡しても仲の良い隣国関係などというものは少ないようなので、しようがないのかな、と。例えばブラジル人とアルゼンチン人は対抗意識強いらしいし、スペインとポルトガルの間もそうでしょう*2
特に最近、食品衛生関係とか領土関係とかニュースが報じられると、本当にネット上で燃え上がるような気がします。日本人もそうだし、隣国の人たちにも同じことが言えるでしょう*3。匿名掲示板などでニュースに触れて付和雷同するのは、言論の自由だから批判できませんが、もう少し冷静に「それって本当かいな」、「自分が相手の立場だったらどうかいな」って考えてみても良いような。
Made in China がどうした? 中国製品の品質はどんどん上がっています。昔、米国で Made in Japan がどんな意味を持っていたのか、少しは調べてください。日本製の肉の缶詰に石ころが入っていたりして悪評だったとか、もっと簡単な話では、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー・パート 3」を見ましたか? ドク(ブラウン博士)が「これを見ろ。Made in Japan だ。(だから壊れてしまったんだ。)」 それに対して、Michael J. Fox 扮する Marty が「日本製品は最高だぜ」と言うシーンがあるでしょう。いまだに日本の電器製品は世界中を蹂躙していると思う日本人もいるかも知れませんが、それは 20年前の話です。今でも海外で日本製品の評判は高いですが、実際に家電店を訪れると、メジャーな商品の多くは韓国製、中国製ですよ。
米国を批判するなら、少しは英語覚えて、米国に知り合いを最低 10人くらい作って話してみれば良いんですよ*4。隣国関係も同じです。海外に行ったことない人、外国語コンプレックスの人たちほど、極端な意見に走りやすい気がします。私の知っている米国人は、道路で日本人ドライバーに気軽に道を譲ってくれたりと、とてもマナーを守る人たちでっせ。日本みたいに、歩行者が横断歩道歩いていても突っ込んできたり、あちこちにタバコをポイポイ捨てたりしませんぜ。深圳に住んでいる、私の知っている中国人 F さんはほんと勤勉でっせ。米国ボストンに住んでいる、私の知り合いのイラン人 M さんはワインとジョニ黒が大好きで、ホームパーティにも呼んでくれ、日本のお客さんが七面倒な問題報告してくると、家に帰らず問題分析してくれ、こんな良い奴知りませんよ。
何が言いたかったんだっけか? 当たり前のことですが、外国の文化を異端の目で眺めるだけでなく、自分達の文化が世界の標準じゃない、って理解することが大事じゃないかと。私は捕鯨賛成派ですが、海外には捕鯨を蛮行と考えている人もたくさんいる、ってことは理解しなくちゃいけませんよね。

*1:日本語で外国に関するフレーミングを見たら、同じような喧騒が英語でも見つかるかどうか、探してみたほうが良いでしょう。

*2:ポルトガル人はスペイン語理解できても、スペイン語で話しかけられるのを嫌がるらしい。

*3:隣国で、日本の技術を多く使っている新幹線が○国独自の技術って報じられていることを、日本人なら微笑んで許せなくてはいけません。愛すべき我が国の政治家よりも頭の良い隣国の政治家たちは、本当のことを言って国内を喧騒に陥れるのは 10年早いと分かっているのです。ま、自分の政治家生命を慮っているのかも知れませんが。

*4:「そんなの無理だよ。外国かぶれしやがって」って思う人がいたら、それがもう島国根性。「太平の 眠りをさます 上喜撰 たった四杯で夜も眠れず」時代から何も変わっていません。いまや、Skype 使えば中国人の友人、米国人の友人を 10人作るのはたやすいことです。