高コスト体質

商社に勤める知人と話していて話題になったのが、日本の商慣習での高コスト体質についてです。納入先から電話があり、納入品の不良が見つかったので、すぐにうちに取りに来いと連絡があったということで。まあ、こんなのは日常よくあることで、今さら話題にするほどではないのですが。しかし冷静に考えれば、そんなの宅配便やバイク便で送って貰っても良いと思うんですけどね。どう考えても、精神論としてのペナルティを課しているように感じられます。購入側から見れば、相手が悪いんだから相手にコスト負担させるのは当然としても、商社マン/ウーマンを一人派遣させるということは、相当のコストになるはずです*1。そして結局は、製品の価格に転嫁されてしまう訳で*2、お互いのクビを締めていると思うわけです。日本国内だけで経済が閉じていれば良いのですが、結局は海外企業と競争せざるを得ない訳で、こういう高コスト体質は不利だよなあ、という話でした。コストといえば、コスト対パフォーマンス、コスト対リスク*3でも、疑問を感じてしまう商慣習を見聞きしますが、長年の文化に根付くものなので、仕方がないのかも知れません。
B2B の話を離れますが、小売の世界では、海外メーカーが日本での販路は代理店に一任し、日本では海外よりも高価格で売られているという製品を見かけます。日本での高コスト商慣習が一般に認知されない限り、そのような価格設定はやむをえないのかも知れません。以前、海外で製品を買ったとき、保証書に英語で Limited Warranty (制限付保証)と書かれているのを見て、客をなめとるのかと奇異に感じたものです。しかし冷静に考えると、ある製品を購入した際、販売側が商品について必要十分な説明をし、購入者が納得し、商品が受け渡され、金銭の授受が終わった段階でビジネスは成立している訳です。お客様は神様だ、というのは世界共通の考えではないのだと、そのとき痛感しました。

*1:下手すると、半日つぶれます。

*2:転嫁するなと言ったって、それは精神論でしょう。どこかで必ず転嫁されますよね。

*3:専門用語を知らないので、後者は私の造語です。