Amazon S3 の reduced redundancy storage

Amazon AWS S3 の RRS (Reduced Redundancy Storage) は、お財布にやさしくて便利なのですが、一度アップロードしたオブジェクト(ファイル)の RRS 移行はけっこう面倒です。いや、数個とか、せいせい数百個のオブジェクトであれば、AWS Console から設定可能なのですが、数が増えると大変なのです*1
以前紹介した s3cmd では、一度アップロードしたファイルを RRS に変更するのは難しそうです。フォーラムでいろいろ議論はされているようですが、うまく行きません*2。根本的な事情は、S3 がオブジェクトのツリー構造に対してステートレスにできていて、クライアントからオブジェクト単位の操作をすることはできるのですが、ツリーのあるブランチから下に対するオペレーションは、基本的にクライアントでステートを管理して実現するという思想でできているのです。
まあ、耐障害性という見地からは理解できますが、現実的は辛いこともあります。一つの解決策は、AWS の EC2 から S3 にオペレーションを発行するというものです。ネットワークトポロジー的に近いので有利です。
もっと現実的なアプローチとしては、CloudBerry S3 Explorer PRO という商用アプリを使う方法です。

これは、クライアントからマルチスレッドでオペレーションを発行してくれるので、また、エラー管理がしっかりしているので、ある程度の時間で、RRS への移行作業を完了してくれます。US$ 40 なので、まあ、買ってしまっても良いかなあ、と考えています。唯一の残念な点は Windows アプリであるということで、コマンドラインで操作するのが好きな私には、ちょっとまどろこしいです。

*1:途中でエラーを起こしてしまったりする。

*2:この辺で議論されています。http://s3tools.org/reduced-redundancy-storage