ガスを燃やすとどれくらい酸素を消費するか、一酸化炭素の発生は?

注意: ガス器具を換気のない室内で使うのは危険です。以下は素人によるただの技術的検討です。
と前書きをした上で、よく室内でカセットコンロを使うときには「必ず換気をしましょう、プリムスを室内で使うのは厳禁です」と言われますが、実際問題、ガスを室内で使った場合、どれくらい酸素を消費して一酸化炭素の発生の危険があるのか、調べてみても、危険物主任の試験問題みたいのばっかりでてきてよく分かりませんので、物理と化学の情報を総動員してみました。
まず、ガスは純粋なプロパンと仮定します。プリムスなどだとブタンも入っているみたいですが。プロパンは C3H8 なので(中略。アンチョコ見てしまった)燃焼熱は 2.2MJ/mol で、プロパン 1mol に反応する酸素は 5mol です(だそうです)。
たとえば鍋に 3リットルの水(摂氏 20度)が入っているのを沸騰させることを 10回繰り返すとすると、理論上は 10MJ のエネルギーを必要とします。これをプロパンと酸素の完全反応で得ようとすると、4.5mol のプロパンに対して 23モルの酸素を必要とする計算です。(実際には効率上の問題でもっと酸素を必要とするはず!)
いま、仮に部屋が 6畳間で天井が 2m とすると、部屋にある空気の体積は 20m^3 で、そのうちの酸素は通常 4.2m^3 くらいのようです。つまり、23モルの酸素を消費すると、そのうちの 12% の酸素を消費することになります。もともと空気中の酸素は 21% 程度なので、その 12% を失うと、空気中の酸素比率は 18% 近くに落ちることになります。このくらいの酸素量低下であればすぐに死に至ることはないらしいですが、問題は一酸化炭素です。
ネットで見つけてきた「ガス機器設置技能資格制度運営委員会」の資料によると、「一般的に空気中の酸素濃度が18%を下回ると、ガス機器は不完全燃焼を起こし始め、一酸化炭素(CO)やすす(カーボン等)が発生します」とありますので、上記は一酸化炭素の発生条件に近づいていますね。。。
という訳で、結論は出ませんでしたが(おいおい)、ガス器具を使う場合には、皆さん、ちゃんと換気をしましょう〜、ということでした。(竜頭蛇尾におしまい)
ちなみにブタンの場合は、燃焼熱は 2.9MJ/mol で 1mol あたり 6.5mol の酸素が必要だそうです。各自計算してみてください〜。また、計算が間違っていたら、ぜひ教えてくださいませ!