結合容量の反映は難しい

昨日の続きです。まだ、こだわってます。
結合容量を 20pF として昨日の式に入れてみたのですが、やっぱしダメです。計算結果が非現実的な値になってしまいます*1。どうも、結合容量を集中定数回路でモデル化するのが無理っぽい感じです。せめて、インダクタについて一巻きずつ回路方程式を立てないとダメなんでしょうか。それだと、(19 x 2 + 1) 元連立複素方程式になりますが。Maxima なら解いてくれるかも知れませんが、精神的には、ちょっと諦め気分です。

*1:寄生容量が負になってしまった。

EMI, EMC の本を探しに行った

今日、仕事帰りにブックファーストに寄って、いわゆる EMI、EMC の本を探しました。キーワードはいくつかあって、

  • グラウンドループ
  • 一点アース
  • 信号グラウンドとフレームグラウンド
  • 等価直列抵抗(ESR)
  • 電源のリプル対策 (これは、ちょっと分野が違うが)

こんなところで、索引中心に見ていきました。およそ、15冊ほどはチェックしたのではないでしょうか。
しかーし。Amazon.co.jp で多くの星(☆)が付いている書籍を含めて、私が必要としている情報を索引に載せている本が、ほとんどないのです。ときどきあったとしても、例えば一点アースがなぜ有効で、ただし、それが適用できないケースは何か、というように説明している書籍は見つかりませんでした。また、信号グラウンドとフレームグラウンドを密に結合する説明が載っている書籍であっても、逆に、これらのグラウンドをどのように使い分けたら良いか、という点については明確な説明が見つかりませんでした。(私の探し方が悪いのかも知れませんが。)
ところが、ほとんど諦めて帰ろうとした頃、上のほうの棚に大型書が一つ、目につきました。タイトルは「プリント配線板の EMC 設計 ― わかりやすい設計・理論・レイアウト」です。洋書の訳書でした。ふと値段を見たところ、私には「2,500円」というふうに見えました。大型書なのに安いなあ、と思いつつ内容を見て驚きました。私が探している情報が、ことごとく説明されていて*1、出典や参考文献も明記されていて、これこそ私が探している本ではないか! と思えました。 説明においても、適当にぼやかしたりせず、自信に満ちた文体であり、好感が持てます。惜しむらくは、なんとなく訳出がいまいちに感じたことですが、でも、よし買うぞ、と思って今いちど背表紙を返してみたところ、

価格: 25,000円 (税込: 26,250円)

あー、やっぱり、世の中にはうまい話はないんだ。これだけ丁寧に書かれた本は、やっぱりそれくらいするよな、と納得しました。
衝動買いも考えたのですが、慌てることもないので、とりあえず帰宅しました。いま、原書を探していたら、なんだか $100 くらいで売られているので、ちょっと触手を伸ばしかけています。(洋書は読み切れずに退散してしまうことが多いのですが、値段が倍以上だと悩むよな。)
ちなみに、原書はこれです。

Amazon.com のほうでは、ちょっと酷評されていたりするのですが、対抗書のほうは 1000ページもあって、途中でツンドク可能性が極めて高いです。

ところで、ブックファースト

以前も苦情を書いたと思うのですが、ブックファーストの欠点の一つは書籍の分類がいまいちなところです。技術専門書の内容が分かる店員がいないのでしょうか。
例えば、計測制御のコーナーに、ラムダ計算(計算可能性)の本が並んでいたり*2、電気計測と機械計測(?)の書籍が仲良く並んでいたり、もうメチャクチャです。こういうのを見ていると、やはり紀伊国屋書店などに一日の長を感じざるを得ません。

読んでみた (2011年2月1日加筆)

ちょっと読んでみました。特に興味のある、Chapter 9 の Grounding についてです。
結論から言うと、ちょっと微妙です。書いてあることは正しいのでしょうが、著者が耳知識で書いていて、本当のところを分かっていない感じです。結論の導出も一足飛びで、これもまた、著者の理解の程度に疑問を感じさせます。
具体的には、Figure 9.1b の Conductive coupling of ground noise with interconnecting cables ですと、式 9.1 との対応が不明確です。grounding において、きっと一番重要なポイントの一つでしょうから、もう少し力を入れて説明して欲しいです。
また、single-point grounding (parallel connection) と multipoint grounding の対比も、分かりづらいです。ここでの重要な点は、各サブシステムのグラウンド線長が長くなると、一点グラウンドまでのインダクタンスが無視できなくなるということなのでしょうが、説明がごちゃごちゃしていて、重要な点が浮かび上がってきません。いわゆる、本当に理解していない人の説明にありがちなパターンです。
さて。同書の Amazon レビューを見ていたら、こっちのほうが良さそうに思えます。同じ grounding の説明も、こちらのほうがツボを押さえているように思えます。

Introduction to Electromagnetic Compatibility (Wiley Series in Microwave and Optical Engineering)

Introduction to Electromagnetic Compatibility (Wiley Series in Microwave and Optical Engineering)

おまけに、Kindle 版もあります。数式や図表が心配でサンプル版を見てみましたが、綺麗でした。思い切って買ってしまおうか、の前に、Look Inside で十分に検討してみます。
なお、本質ではないかも知れませんが、Montrose のほうですが、漂白したような白い紙に、すべてボールド体のようなフォントで印刷されていて、きわめて読みづらいです。個人的には、乱丁の部類じゃないかと思えるくらいです。あー、目が疲れた。

*1:リプル対策はありませんでしたが。

*2:これは、情報科学の理論書です。

ブラウザ上で文章を書かない

話は変わりますが、悲しかったことに、いま、ブラウザ上で直接「はてな日記」の編集をしていたら、ブラウザの操作を間違えて、書いた文章をことごとくリセットしてしまいました。ときどきセーブしていたので最悪の事態は免れましたが、一度書いた文書がパッと消えてしまうと、かなり衝撃を覚えます。紙の上に筆記する情報は、たとえインク瓶を倒しても(← 古いね)、一度に抹消されることは稀ですが、コンピュータは無慈悲です。
同じウェブインターフェイスでも Gmail などだと自動セーブされたりして少し安心なのですが、「はてな」は、まだそこまでの安心感はないですね。おまけに、ときどき日記を保存しようとすると、サーバー過負荷のエラーで、内容が消えてしまうこともあります。最悪〜。
という訳で、(いつも懲りないで失敗しているのですが)今後は、ちゃんと Emacs などのエディタ上で文章を書こうと思います。(Emacs も、昔と違って scratch buffer は簡単に失われてしまいますけどね。)

バックアップ

ちなみに、はてなのサーバーが吹っ飛ぶことも想定して、私は日記を定期的に自動バックアップしています。以前は Gmail もバックアップしていたのですが、最近はヤメてしまいました。どうしよう?

「バックアップ」余談

完全に余談ですが、英語でクルマをバックさせることを「back up」といいます。私は最初、クルマを運転していて Back up! と言われたとき、思わず「Back up what!?」と訊いてしまいました。日本人はバックアップというと、つい、パソコンのデータに複製を作ることを想像してしまいますが、どうも認識不足のようでした。(^^l)