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今日の、成田・ロサンゼルス便は久々に「眠れないフライト」だった。今までは、だいたい長時間のフライトは 8割方寝て過ごすことができたのに、今日は 9時間弱中 2時間程度しか眠れなかったに違いない。
 成田では、いつものように格安航空券のための集合カウンタを探すが、毎度のことながら指定されたツアーの名前が見つからない。いつも、ヒヤヒヤものである。今回も、集合時間の 15分くらい前になって、ようやく「ウェルカムツアー」なる怪しい名前のツアー用の、カウンターの場所がディスプレイに表示された。
さっそくチケットを受け取り、デルタのチェックインカウンタに向かう。今回は、チェックインの荷物がないので楽ちんである。席も窓際シートを確保できたが、今回のフライトはかなり空席があったので、2席を独占できた。(でも、やはり眠れないことには変わりがない。)
時間が大量に余ったので、デッキで飛行機を眺めて過ごすことにした。飛行機マニアの男性と、その奥さんがいた。旦那さんは、どこから見ても「飛行機マニアです」といった雰囲気を醸し出していたが、奥さんはごく普通の感じだった。

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そう。前回は夏休みのサベナのフライト(今、パスポートを見ると 7月 30日出国となっている)だったのだが、このときは出国審査が尋常でなく混んでいて、セキュリティチェックまでに既につづら折りができていた。また、出国審査の窓口も長蛇の列で、各航空会社の担当者が声を張り上げて搭乗者を呼び出していたのが懐かしい。
ところが今回は、あまりに GW の混雑期から出国時期をずらしたためか、出国審査はガラガラであった。カウンターの前で、端から端まで目をつぶって全力疾走しても、誰にもぶつからなそうなくらいであった。(たぶん、そんなことをしたら逮捕されるだろうが。)
そうだ。出国審査の前に珍しい人(?)に会った。会社の同期の M 君(自称、通称、マッキー君)に出会ってしまった。同期の間では、無口で社交下手で通っているのだが、何故か今日はとても元気だった。何故だろう。家族で、東南アジア(国名は忘れちゃった)に旅行だそうである。自慢じゃないが、俺は家族海外なんて行ったことないぞ。彼とは 5分くらい話していたが、何分、普段の交流がないので会話のネタがなくなり、早々に失礼して出国審査に向かった。
今回の旅行会社は、出国審査のカードを用意してくれなかったので(保険の斡旋も、特にしてくれなかった。質実剛健な旅行社と言えよう)、出国審査カウンタの前で、一生懸命手で書いた。最近はいつも旅行会社におまかせにしていたので、書き方を忘れてしまって焦った。
出国審査も無事にパスできたので、取りあえずゲートに向かった。途中、トラムの中で如何にも「デルタ航空のフライトアテンダントです」という様相の女性達がいたが、案の定正しかった。JAL に比べてオバちゃんばっかりだが、別にフライトアテンダントが妙齢の美人だからといって大きな御利益がある訳でもない。フライトは、安くて、安全で、ビールかワインを 2本以上飲ませてくれれば、それで良いと思っている。機内食にこだわる人達もあるようだが、僕の舌では、どこも大差ないと感じているので、機内食にも無関心である。
ただし、機内食でも楽しいものもある。サベナベルギーで「ベルギーワッフル」が出てきたり、フリスクFrisk sharpen you up!)が配られたり、アエロメヒコ(Aero Mexico)航空でオリーブの実や、辛い摩訶不思議な漬物が配られるような、土地柄を想像させるものは、大いに嬉しい。
話を急ぎすぎた。成田・ロサンゼルス便(DL78)は、席にとても余裕があった。席に余裕があると、機内でお友達を作れないという点では、面白味にかけるというデメリットがある。今までの経験では、私が単身飛行機に乗ると、大概、横の席には若い独身の女性が来るのである。会話をする相手がいるのは、正直言って心が和むし、男性よりも女性のほうが良いのは、言わずもがなである。(と言って、別に住所や電話番号を聞いたりしたことは「滅多に」ない。)
そうそう。同便は、ハネムーンと思しきカップルが多かったように思う。お幸せに…。
ロサンゼルスには、ほぼ定刻に着いた。着陸やり直しもなく無事に大地に降り立ったのだが、イミグレーションが 9:00 にならないと開かない(ストライキでもやっているのだろうか?)とかで、機内で 30分以上も待たされる。窓から空港や近所の建物が見えるというのに、正直いってイライラしてくる。(まだ、メキシコ領内でないので、アスタ・マニャーナ(Hasta manana)いう余裕も持てない。(ちなみに、アスタ・マニャーナの本来の意味は「また、あした」との由だが、「のんびりやろう」という意味合いもあるそうである。もちろん、耳知識である。)
いつもイミグレーションでは「してやられて」いるのだが、今回は一人身の身軽さもあって(出張以外は、いつも身軽なのだが)、通路をてってけと小走りし、カウンターに大渋滞ができる前に並ぶことができた。まだ朝早い時間で、カウンターも混んでおらず、また、単に「メキシコへトランジット」という入国目的であることもあり、あっという間に入国することができた。ちなみに、アメリカという国は出国は簡単(カードを航空会社職員に渡すだけ)だが、入国はなかなか面倒である。
さて、無事にアメリカに入国できたのだが、メキシコへのフライトまで 3時間弱もあることが分かった。しかし、3時間弱では空港を離れるような芸当は難しい。しかし、俺の知っている範囲では、ロサンゼルス空港は案外遊ぶものがなく、退屈である。あまりに退屈なので、一度入ったセキュリティ(腕時計に反応して、ピーピーと鳴ってしまったのに)を出て、空港の表玄関(ゲート)まで出てみたが、白タクみたいな怪しいアンちゃんや、これまた怪しい募金のオバさんに捕まりそうになっただけだった。ちなみに、ロスの空港内には「空港内の募金活動には、空港は一切支援をしておりません。募金をする必要もありません。」などという立て看板まである。アトランタでは、怪しいオジさんが不可思議なボールペン様のものを配っていることがあった。なんかの商店の宣伝か何かかと思ったら、これが募金活動で、ペンが欲しかったら募金してね、ということらしい。(ちなみに俺は基本的に、出所が不明の募金はしないことにしている。)
時間を持て余したので、ちょっと早かったが、メキシコ行きのゲートの前のシートに座って待つことにした。ちなみに、アメリカ人が海外に行く場合、日本みたいな出国審査はないようである。セキュリティを通りさえすれば、そのまま出発ゲートまでノーチェックである。もちろん、出国ゲートでは航空会社職員がパスポートに軽く目を通しているようだが。
メキシコ(Leon)行きのフライトは、マクダネルダグラス(ボーイングに買収された)の、MD-88(か、あるいはその兄弟)のようだった。この飛行機は、席のアレンジ奇妙で、右側が 3列、左側が 2列になっているのが特徴である。おまけに私の席は、33A というシートなのだが、これはすぐ左横に巨大なエンジンが鎮座している。離陸時や、離陸直後の大出力時には、騒音で横の人とも会話ができないくらいである。
機内食は、サンドイッチ(長いパンにハムなどを挟んだやつ)に、オリーブの実や辛い漬物が付いているところが、メキシコ風だった。
フライトは案外と長時間で(メキシコは大きな国なのだ)、2〜3時間程度を経て、ようやく Leon という空港に着陸した。一応「国際空港」ということになっているのだが、日本でいうところの石垣空港と同じ程度のものだった。(石垣島の方、ごめんなさい。) ところで、私はここでヘマをしてしまったようだ。外国に入国して最初の空港ということで、さっさと機外に出てイミグレーションに向かったのだが、どうも、ここでは入国審査をしなくても良かったようなのだ。苦労して(ウソ)入国審査と税関を突破したというのに(この空港では、バッグをちゃんと開けて、中をしっかり見る)、さてトランジットをしようとゲートに入ろうとしたら、係員に呼び止められてしまった。無線機で、「××××(私の名前))が、どうのこうの!」(スペイン語だったようだ)と叫んでいる。どうも、俺は間違って機外へ出てしまったのかも知れない。意味が分からず、ヒョコヒョコと待合所の席を探していたら、知らない人達が、「係員が呼んでるよ」と教えてくれた。もっとも、このようなことでいちいちパニックになっていると、言葉の通じない国の一人旅はできないので、あまり気にしないことにしている。海外旅行なんてものは、結果オーライで良いと思う。
しかし無事に機内に戻ることができ、メキシコシティに向かうことができた。そもそも、Leon でのトランジットが 30分強しかないことで、何か気付くべきだった。(30分で入国審査と税関を通っていたら、乗り損なってしまうかも知れない。) 言い訳をするすればと、エンジンの音がうるさくて、また、スペイン語なまりの英語で、機内アナウンスが聞こえなかったのだろう。(^^)
メキシコシティでは、イミグレーションはまたしても長蛇の列だった。しかし、日本人が案外多かったのは意外だった。私は Leon で折角入国審査を済ませた(賢い!?)のに、また長蛇の列に並ぶハメになってしまった…。
ロスから Leon でのフライトでは、当初、寝不足で頭が朦朧としていたのだが、1時間程度仮眠をとったら多少復活できた(ように思えた)。ところが、メキシコシティでは 1つの大きな失敗(未遂)と、1つの小さな失敗(未遂)をしてしまったのだ。大きな失敗は、キャッシュカードでメキシコペソ $300($ と書いてペソと読む。とても紛らわしい)を降ろしたのだが、現金とレシートだけ受け取って、カードをそのままにして立ち去ろうとしてしまった。幸い、親切な若い女性が教えてくれ、助かった。「サンキュー、サンキュー、グラシアス、グラシアス」と御礼を言ったのは、言うまでもない。(相手の言語が分からないので、2カ国語で連呼したが、たぶん英語圏の人だったろう。)
ちなみに、ヨーロッパを旅行していたときは、「サンキュー、グラシアス、オブリガード」と言っていた。別に、たくさんの言語を知っていると自慢している訳ではなくて、相手が何人(なにじん)でも失礼の良いようにしているのだ! 「日本人は、礼も言えない無礼な国民だ」なんて思われたくないし…。こんなことを言うと、「サンキューくらい、何人でも分かるでしょ?」と思うかも知れないが、例えばフランスでは一般の庶民には英語がほとんど通じない(逆にこっちは、フランス語は、数だとアン、ドゥー、トロアしか分からないので、地下鉄に乗っても困ってしまう)し、メキシコ人も、英語は不得手なようだ。ちなみにしつこいが、フランスとスペインの間の夜行列車では、「サンキュー、メルシ、グラシアス」と言う。ところが何故か前回の旅行でポルトガル語の挨拶に気合を入れすぎたせいか :-)、スペイン語の挨拶は、とてもじゃないが、とっさに出てこない。「あー」と 2〜3秒考えた後、やっと「グラシアス、アディオス」と言う、といった具合である。これくらいは、スマートに口に出したいところである。
そう。小さな失敗未遂というのは、メキシコシティで地下鉄に乗ろうとして切符を買ったのだが、100ペソ紙幣を出して 1.5ペソの切符(安い!!)を買ったのだが、最初、じゃらじゃらと釣り銭をくれたので、これでオシマイかと思い、グラシアスと言って立ち去ろうとした。(言い訳をすると、睡眠不足で倒れそうだったのだ。今も、そうだけど。) そしたら、後から紙幣を 2枚も含む、大量のお釣をくれたのだった。日本人の感覚では、たかだか 1200円程度のお札を出して切符を買ったら、あとは小銭だけだと思っても仕方がないですよね。(言い訳) ちなみに、もう書いてしまったが、1ペソ = 12円くらいのようだ。メキシコの地下鉄は安い。1.5ペソで、乗り換えを何度しても良いのだ。
そして、ようやくホテルに着いた。飛び込みで入ったホテルで空き部屋もあったし、受付のお兄ちゃんは、英語を話してくれた。助かった。トールフリー(フリーダイアル)のかけかたも教わって自宅に電話できたし、バンバンザイである。あー、猛烈に眠い。洗濯も終わったので、もう寝ようと思う。(バスタブが無かったのが、唯一の残念なところである。)
お休みなさい。あー、倒れそう…。