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今日は、シティに戻る日である。しかし、その前にお土産を買わなくてはならない。
宿は、10:00 頃にチェックアウトした。1日 420ペソの三つ星ホテルにしては、しょぼいところだった。これからは、気力に余裕があるときは、チェックイン前に価格と部屋の内容をちゃんと確認しようと思う。
まず、ホテルを出てチョコを 3つ買いにいった。ソカロに戻ってきて驚いたのは、パレードが賑やかなことである。ホテルを出たとき、メキシコ人は月曜日も仕事をしないのか。のんきな奴等だなあ、と思っていた。それにしても、なんか変である。パレードの人が抱えている垂れ幕を眺めてみても、意味が分からない。
腹が減ったので、またオープンテラスのレストランのテーブルに腰掛けた。あまり美味くないのだが、朝から店探しもシンドイので、そこにした。パパイヤのジュースとオムレツ(といっても、つまりはトルティージャである)を頼んだ。パパイヤのジュース(甘柿みたいな味だ)を飲みつつ考えていて、ようやく分かった。今日はメイデーなのだ!! 時計の日にち表示が 31日になっていたので気付かなかった。
そのうち、ソカロの周りの道路に変わった車が入ってきた。荷台の上にはクイズの解答者のための演台みたいのが数個据え付けられていたが、それはアイスボックスだった。上から、人が缶ジュースはペットボトルを投げつけてくる。子供たちは大喜びだったが、こっちは命の危険を感じて缶の飛んでくるのを必死で避ける。
オムレツは、中に例のオアハカ名物のチーズが入っている。美味しいが、冷めているので弾力が高まっている。食べにくくてしょうがない。ま、旅行者のためのレストランだからしょうがない。どこでも、その手のレストランは美味しくない。
またいつも思うのは、一部のアメリカ人についてである。彼等は世界中のどこに行っても、自分達の食文化でないと満足できない人種のようだ。折角メキシコに来たのだから、メキシコ人が食べているような美味しい料理を食すれば良いのに、頑固にアメリカ流のパンケーキなど食べている。また、メキシコの安料理屋でアメリカ人らしい姿を見掛けることは、まず無かった。ある人が、アメリカ人は「おいしいものを食べる」ということに価値観を覚えない人種なのだ、と言っていたが、あながち間違いではないように思った。メキシコの屋台のタコスは、本当に美味しい。(初日からこれを食べると、もしかすると胃腸を壊すかも知れないけれど。)
飯を食ったあと、土産物屋を探した。軽くて、かつ「これぞメキシコ」という感じの毛織物が欲しかったが、適当な店がなかなか見つからない。結局、サントドミンゴ教会の裏手にある民芸品店で毛織物を見つけた。
店に入ると、メキシコの建物はみなそのような形が多いようなのだが、中が広場(中庭)になっている。道路に面した側は原色に塗りたくったような壁になっていることが多いが、概して、中はそのような作りのようだ。アメリカ風の家とも、日本風とも、違う。もしかすると、ヨーロッパ風なのかも知れない。以前映画で見た、イランの家にも少し似ていると思った。
店では、お土産用の小型の毛織物(インテリア用らしい)が下がっていたが、これがまた、何十枚も毛糸が連なったまま売られている。最初、このまま綴りで買わなくてはならないのかとぎょっとしたが、よく見ると値札の後ろにはc/o みたいに書かれている。つまり、単価なのだ。単価 10ペソものと 30ペソの大柄なものがある。おばちゃんが来たので、手でハサミの真似をして間を切るジェスチャーをして、それぞれの個所で「ディエス・ペソス?」と繰り返したら、Si, si と言っていた。やはり、単価のようだ。
結局、小さな奴を 6切れ、大きな奴を 6切れ買うことにした。おばさんは鋏を持ってくると、織物の間をじょきじょきと切ってくれた。ただし、1枚 1枚を切り離すような細かいことはしてくれない。つまり、後で買ってに間を切ってくれという意味のようだ。なかなか味のある売り方である。
買い物が終わって時計を見ると、12:00 になっていた。そろそろ、バスでシティ(ちなみに現地の人は、メキシコ・シティのことを単に「メヒコ」と呼ぶらしい。厳密さを伴う場合は、Mexico D.F. とか書いてあるようだ。メヒコ特別区という意味か?)に戻ることにした。
教会からバス停(アメリカ流に言えば、ディーポ)に向かった。地図では割と近く(1km くらい)なのだが、歩けど歩けど見つからない。メキシコは、シティは別として、大概の街では道路の名称標示の標識がない。だから、自分がどこの通りを歩いているか見極めるのが大変だ。
なんとか、バスディーポを見つける。そこの、空港のチケッティングカウンターみたいなところでチケットを買う。14:30 のバスしか買えなかった。ちょっと時間を持て余す。でも、バスディーポのようなところで現地の人達を眺めているのも、なかなか楽しい。サントドミンゴ教会でもそうだった。俺は、そういうのんびりした旅が好きだ。
時間が来たので、セキュリティを通ってバスに向かう。ところが、このセキュリティがいい加減だ。人が多いのでしょうがないのかも知れないが、皆がゲートをくぐるたびにピーピーと音がしているにも構わず、警備員は何も言わない。また、バッグにも一応、形だけ金属探知器を近づけているが、あれでは何もならないだろう。
バスはエアコンが付いているのだが、最初は空気口の調節方法が分からなくて、ずっと暑い中で過ごしてしまった。横の席のお兄ちゃんは、ずっとウォークマンを聞いていて、チャカチャカと煩い。
途中で、ミールストップがあった。腹は減っていたが、夕飯で美味しいものを食べようと思っていたので、食事は抜くことにした。今考えると、ハンバーガーくらい食べておけば良かったのだが、停車時間は今一つ分からないし、トイレに入っただけで不安なくらいだった。
バスは 1時間程度遅れただろうか。メキシコシティに近づくにつれ、渋滞に巻き込まれてしまったのだ。メトロの駅を見つけて、無事にホテル(予約済のFleming)に到着した。