クローン携帯?

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なんか話題になってますが。これって、「クローン携帯」ではないような気がします。SIM (USIM) を使う携帯電話では端末の識別情報を SIM 内に保存しています。SIM を別の携帯端末に移せば*1、別の端末で同じ電話番号や課金情報が使えます。つまり、魂は SIM に入っているわけなので、携帯のクローンができた訳ではないです。
さらに、じゃあ今回の問題が SIM のクローンなのか、というと、犯罪者の悪意によって SIM のクローンが作られたわけでもないです。単純に、契約が終了したはずの無効の SIM が他所で「悪意によって、有効に使えてしまった」ということですね。
SIM 内部にどれだけの情報が記憶されているかどうかは定かでないですが、そもそも、同一の識別番号 IMUI を使いまわした、つまりは、同じ識別番号を持つ SIM を、ドコモが作ってしまったということが問題な訳であって、結局のところ、クローンを作ったのはどこもドコモ自身なのではないか、と。なぜ、識別番号 IMUI に 15桁も使えるのに、使い回してしまったんでしょうか。疑問です。
オペレータが(意図せずとも)クローンを作り、それで不正な通話が発生し、それが利用者に課金されてしまうというのはちょっと納得できない話だと思います。確かに海外のオペレータが USIM の認証をしていなかったのは問題ですが、彼らはまさか同一の識別番号を持つ USIM が複数あるとは考えなかった、と主張するのではないでしょうか。複数の IC カードが同一の識別番号を持たないというのは、セキュリティにおける基本原則だと思うのですが。

後記

ドコモは言い訳しているみたいですが、偉い人、広報部、技術部門でちゃんと議論はできているんでしょうか。不安です。
プレスリリースによると、今後、正しい認証をしていない海外のオペレータからの発信は受け付けないようにすると言っていますが、言い換えると、「正しい認証をしていない不正なオペレータがあった場合、ドコモが認める『同じ識別番号を持つ SIM カードの存在』により不正な通話が試みられたとしても、従来のドコモのシステムでは不正な料金請求が発生する可能性があった」ことを認めたということですね。逆にいうと、従来、海外のあらゆるオペレータからの情報を鵜呑みにして、ドコモ利用者へ課金をしていたということになります。UMTS って、end-to-end で認証をしているんじゃなかったんだー。

*1:オペレータ間の SIM ロックなどがなければ。