通信の未来と人間の臨界距離

漠然とした考えですが、人と人のコミュニケーションには臨界条件とも呼べる距離、あるいは帯域幅があって、ある一定以上にコミュニケーションを円滑にさせると、人間性というものが崩壊していくのではないか、と。
私は、子供の頃から電子通信技術の未来というものを信じていて、コミュニケーションの閾値を極限まで小さくすることが人間社会の利便を極大化すると考え、そして生業としてきました。迅速で正確な情報伝達は、デマや暴動を減らすと教えられましたが、今の通信技術が向かっている先に、漠とした不安を感じる今日この頃です。人間の知識や情報の伝達には、もともと忘却や沈静、濾過ともいうべき安全弁があったのかも知れません。