コレガ BSL-WS-G2008MR の VLAN 設定

昨日書けなったので、忘れないうちに書いておこうと思います。私は LAN スイッチで「タグ VLAN」の設定をしたのが初めてのため、いろいろと試行錯誤してしまいました。他社の製品がどうなっているか分からないのですが、この製品は非常に興味深い設定インターフェイスになっていて、ちょっと関心しました。説明書を見ると、ユースケースに則った説明になっているのですが、実際の設定は、極めて実装寄りな仕様になっているのです。
通常は、「装置の実装」をユーザーにそのまま見せるのは、不適切なユーザーインターフェイスと考えられていますが、ある意味、このような専門家向けの装置では、実装をそのままインターフェイスとして見せたほうが、誤解がなくて良いのかも知れません。
この LAN-SW は初期設定において、全てのポートに VLAN ID 1 が割り当てられた「ポート VLAN スイッチ」として出荷されています。言い換えますと、初期設定は「VLAN なし」ではなく、全てが「VLAN ID 1 のポート」なのです。
私は当初、それでは困るのではないかと思ったのですが、あるポートから入ってくる 802.3 フレームには自動的にタグ ID 1 が(内部的な仕様で?)与えられ、しかし、他のポートからフレームが出るときには、自動的にそのタグが除去されるので、実用上問題ない訳です。しかし一方で、初期設定ではポートから入ってくるフレームにタグが付いていた場合、それが 1 でないとフレームが捨てられてしまうため、これは、ちょっと混乱の種になるかも知れません。
しかし全体的に見て、装置の実装を理解して適切に設定すれば、利用者の複雑な要求を柔軟に実現できそうで、(装置の価格から考えて、おそらく、ある既製品の LAN-SW LSI を使っているのでしょうが)この装置のデバイスを設計した人は、なかなか頭の切れる人とお見受けしました。
電子機器や情報機器を設計する際、多様な要求や例外的な仕様に翻弄されて、極めて複雑なインターフェイスや内部実装をしてしまうことが多々あります。それに対して、要求仕様に加えて問題領域を高い視点から俯瞰することで、単純かつ柔軟、それでいて応用範囲の広い設計をできる技術者もいます。私はそのような設計を見ると、いつも感心します*1

閑話休題

こんなことを書いていてもしようがないので、いくつかポイントだけメモしておきます。備忘録ですので、まだ勘違いがあるかも知れません。あしからず。

  • VLAN タグのついたフレームを流すポートでは、VLAN aware のチェックボックスに印を付けておく必要がある。
  • VLAN タグのついたフレームしか流さないポート(トランクポート?)でも、タグ ID 'n' の付いたフレームを通すには、そのポートを VLAN 'n' のメンバにしておかなくてはならない。(逆に言うと、メンバから外しておけば、そのトランクには当該 VLAN ID のフレームは流れないようだ。)

ま、最終的には SnifferWireshark で動作確認が必要でしょうね。

*1:たとえは変ですが、私のような三文プログラマですと、例えば LISP のような言語で応用ソフトウェアを設計することは極めて困難に感じられますが、逆に優秀なプログラマにかかると、要求仕様を非常に簡単に(分かりやすくはない)小さな LISP コードで実現してしまったりして、実力の差を見せ付けられた気持ちのすることがあります。