「Zigbee 開発ハンドブック」

半日ほど読んでみたので、ちょっと感想など。

Zigbee開発ハンドブック (実践入門ネットワーク)

Zigbee開発ハンドブック (実践入門ネットワーク)

Amazon のレビューでは比較的高いポイントが付いてますが、私にはそれほど満足できる内容とは思えませんでした。私が知りたかった情報の半分ほどしか見つかりませんでした。以下、感想です。

  • ZigBee 規格の説明で、何が必須(mandatory)で、何がオプションなのか分かりづらい。
  • 802.15.4 や ZigBee 規格の「実装」にページを割いているのは悪くないが、それによってユーザーが何を利用できるのか、というインターフェイスの側面が弱い。いろんなトポロジの紹介があるが、ZigBee 規格を満たした製品なら全てを利用できるのかどうか、私には理解できなかった。(読み方が悪いのかも。)
  • 何が規格に基づく記述で、何が著者の解釈なのか、が明確に区別されていない気がする。
  • 802.15.4 MAC レイヤを説明しているはずなのに、途中で「(一方) ZigBee では…」という説明が混じってくる。読んでいて混乱する。
  • エンド・トゥ・エンドで通信の完全性に関する説明が見当たらない。一生懸命、MAC 層と ZigBee ネットワーク層での再送制御の実装を説明しているが、利用者に何が保証されるのか、という観点が欠けている。(XBee のドキュメントでは、重複データの廃棄はアプリケーションの責任だと書いているので、規格上の要求を知りたかったのだが。)
  • クラスタの説明が抽象的で理解できなかった。
  • 索引は 4ページ。この種の本としては、あまり充実しているとは思えない。

一方、以下については、ある程度理解できました。

  • 低消費電力を実現するための、802.15.4 実装の工夫。(ただし、ZigBeeインターフェイスとして、どこまで利用者に選択の余地があるのか、十分に理解できなかった。)
  • 同じく、実装コスト低減のための、実装の工夫。
  • アドレシングの仕組。