テープメディア

ついでにテープメディアの経験ですが、8mm ビデオが出た黎明期、このメタルテープはちょっとした巻き戻しや早送りで傷が付いて、せっかくの記録映像をよくダメにしてしまったものです。8mm ビデオはオートトラッキングなど採用していて、ベータや VHS よりも良いと思うのですが、それでも再生を繰り返しているうちにテープが伸びてしまうのか、トラッキングが合わなくなることもよくありました。かといって、少なくとも当時は家庭用ビデオのダビングは極めて画質を劣化させるものだったので、ダビングを鑑賞するというもの、あまり楽しいものではありませんでした。
また別の経験として、DAT というディジタルオーディオテープの規格がありましたが、これも少なくとも民生用機器では、ヘッドが目詰まりしたりして、よく嫌な思いをしたものです。(市販の簡単な乾式クリーニングテープで綺麗にとれるようなものではない。参考にいうと、プロの技術者は 1/2 インチビデオデッキのヘッドが目詰まりすると、ロータリー部を取り外して徹底的に掃除します。クリーニングテープで目詰まりを綺麗にとれるというのは妄想だと思います。)
また個人的に、ディジタル方式では記録時や再生時にエラーレートを利用者が知る権利があると思うのですが、少なくとも、民生機器でレートを表示できるものなんてありませんよね。(まあ、そのような訳で、このオーディオの世界では無酸素銅のケーブルとか、極性のある AC ケーブルとか、定量評価が難しいような魔術があふれている訳です。)
それに対して、CD や DVD のような世界では、コンピュータ世界との融合が民生分野でも早くから浸透したためか、怪しげな魔術は少ないようです。(CD を CD-R にディジタルダビングすると音質が劣化する話は、私は「魔術」とは思っていません。念のため。) レーザーによる読み取りや書き込みでエラーがあれば、それは PC を使えばちゃんと調べられますし。そもそも、まともに扱われている音楽 CD の読み取りで、回復できないエラーに困ったことなど私はありません。ディジタルのディスクメディアの世界は、民生の世界でも極めて優秀なのです。