ソフトウェア設計者の慨嘆

このゼロ戦の逸話(↓)の出所はどこだろう。読んでみたいな。

ちなみに、こっちのほう(↓)。

気持ちはよく分かるよ。私も、「こんな製品作ったって売れないだろうよ」と思って前職を辞めた、と言えなくもないですから。でも、そんなこと言っているようじゃダメだよ、もっと強くなれー、というのもあるね。
「この言語飽きてきた」
だったら、自分の好きな言語で書いてトランスレータでも作りたまえよ! 言語処理系が書けるというのは、プログラマとしては優れたスキルだ。昨日 TeX のことを書いたけど、TeX を書いた Knuth 先生は、最初 SAIL という言語で TeX を実装したけども、後に移植性とコードの可読性(文芸的プログラミング)を考え、WEB という新たな言語を作ってしまった。それだけだと移植性を下げるだけだけど、先生は WEB から Pascal への変換ツールも用意したので、Pascal の動く計算機ならどこでも TeX は動き、整数演算しかしていないので、どんな処理系で動かしても常に結果は全く同一になる、という素晴らしい TeX が完成したのだ*1
話が脱線するけども、先生は最初 The Art of Computer Programming という本を書くのが目的だったのだけど、既存のコンピュータ組版システムに幻滅し自分で TeX を書き、さらにフォントも気にくわないので自分で METAFONT を書き、WEB 言語まで実現し、ちなに The Art of Computer Programming は未だ完成していません…、という感じで、コンピュータ界の最大級の脱線劇とも言われている。
「課題が簡単すぎる。猿仕事に思えてしまう」
君は優秀なのに違いない。コードの自動生成スクリプトでも書いて、仕事は機械に任せ、余った時間でスキルアップを狙おう。あるいは旅に出るのも良し。はたまた履歴書でも書いて、もっと良い仕事を探すってのも良いんじゃないか?
ともあれ、若い人にはもっと野心を持って欲しいと思う。最近私は記憶力が落ちてきてので、何かを頭に入れてから、おもむろにまとめて作業する、というのができなくなってきました。こんな年寄りには、マルチディスプレイ環境が必要なのかも知れない。左を見ながら右でコーディング、と。

*1:ちなみにその後、C がメジャーな言語になったせいか、大抵の計算機では Web2c という処理系で C に変換されてコンパイルされています。