赤道儀なしで、どれくらい星像を止められるか

昨日撮った火星ですが、なんとなし、日周方向に像が流れているような気がして、でも実際には露出時間が 1/100 秒くらいなので、そんなことはあり得ない、と思い直したりして。
では実際、赤道儀を使わずに、天の赤道上にある星像(当然、これが一番厳しい条件)を流れないように撮影するには、どれくらいの露出時間が限界なのでしょうか。円周 360度を 1恒星日で割ると、時間 1秒辺りの日周運動は約 15秒角となります。鏡筒 ED81S の分解能は 1.43秒角なので、分解能分だけ星像が動くのに必要な時間は 95ミリ秒となります。
今度は、カメラ D70s の撮像素子の解像度から考えます。ED81S で直焦撮影をする場合の実視界は 1.43度(短辺)で、1ピクセル辺り 2.6秒角となります。つまり、1ピクセル分だけ星像が動くのに必要な時間は 170ミリ秒となります。
上記から、星像の動きを、分解能ないしは 1ピクセル辺り角度の 1/10 以下*1にしようとすると、1/100秒の露出時間は問題がないことが分かりました。ラフに言えば、1/10秒くらいの露出でもでもそこそこ止まった星像が得られそうです。

*1:実際には、大気の影響や、多少なりとも三脚の振動による像の揺らぎがあるので、そこまでシビアに考えなくても良い気がするが。