TOEIC平均、小学校教員582点 全体平均とほぼ同じ
一日に日記を書きすぎているとは思います。でも、統計の話なので、黙っていられません。
重要なのは、
07年度実施の8回の公開テストの受験者のうち、職業を「小中高校の教員」と答えた約8000人の平均を算出した
という点です。つまり、母集団が「小中高校の教員全て」ではないというのがポイントです。TOEIC の試験を受けた人の中で、自分が教員だと申告した人が標本になっている訳です。仮にその申告が正しいとしても、わざわざ TOEIC の試験を受けようと思う人は、それなりに英語の心得がある人でしょうから*1、ほぼ間違いなく「小学校の教員全て」よりもスコアは高く出るでしょう。国際ビジネスコミュニケーション協会はウソを言ってはいないと思うのですが、この「統計」結果から「小学校の教員の平均 TOEIC スコアが 582点くらいである」という結論を導き出すには、明らかに誤謬があると思いますよ、私は。(「無茶言うなよ!」という先生の悲鳴が聞こえてきそうです。)
今回の「統計」結果を、おそらく少しでも正しく言いなおすとすれば、
小学校の教員のうち、自らの英語力を客観的に知りたい、あるいは実力を知りたいと考えている(おそらく本務教員 41万人(後述)全体のうち 1% 程度の)人が、たぶん事前にある程度勉強をしてから TOEIC を受験したところ、平均スコアが 582点であった。
というところでしょう。英語教育に向けて、小学校の先生の不安が想像できるというものです*2。
参考
ちなみに文部科学省の統計によると、2008年 5月現在、小学校の本務教員の数は国公私立あわせて 41万人以上いるそうですから、教員すべてから無作為に選んだとは到底言えないのが分かるかと思います。
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