「トランジスターラジオ実践製作ガイド」

ようやく本論に入れます。今月の CQ Ham Radio は、EH アンテナとかアンテナアナライザーの話があり、興味深かったので購入することにしました。自分の好きな記事があるときだけ購入します。雑誌を保管しようとすると場所をくいますし、最近は景気低迷で生活防衛とかいうそうで、サラリーマンである私は、不要な雑誌を買う余裕がないのです。(さびしい…)
しかし本題であるところの、「いつもの書店」で見つけた丹羽さんの本は買うことにしました。「定価 2,200円 + 税」です。丹羽一夫さんといえば、子供の頃に買った「やさしいラジオの作り方」(金園社)という書籍以来、敬愛している方なのですが、なんとその本は、現在アマゾンで古書が 5万円ほどで取引されています。うー、引越のどさくさに紛れて失われたことが悔やまれます。もっとも、現在入手困難な電子部品を対象としているので、利用価値は少ないのですが。しかし、5万円とは! (ちょっとした新刊サイズのソフトカバーが、ですよ!)
そんなことを思い煩っていた折に、この書籍を見つけたのでした。かなり真面目に、真剣に執筆された本のようで、小学校の頃、トランジスタラジオの自作に思い焦がれた時代を彷彿とさせる内容です。FM ラジオの製作に至っては、ディスクリートで組もうとしたが(実際にプリント板を起こして実装したらしい)、フォスターシーリー検波器が動いているかどうか分からないくらいの出来だということで、ボツにした、という失敗談(回路図と基板の写真も載ってる)があるくらい、真摯な内容なのです!
これは絶対買いだと思い、同書を購入して帰りました。中には、スーパーヘテロダイン受信機を、デジタルディップメーターを使って単一調整する方法が具体的に記述されていたりして、好感を覚えます。先ほどの、現在 5万円で取引されている本では、「測定器を持っている人は少ないでしょうから、実際に放送局を受信しながら調整しましょう」でした。さすがは、時代の趨勢を感じさせる内容です。丹羽さんの書籍は、理論的というよりは実践的な内容なのですが、FM ラジオをディスクリートで組もうとされるぐらい、真摯な方なのです。元(トランジスタ)ラジオ少年の方々には、絶対にお勧めです。

超再生検波による FM ラジオ

ちなみに、私がラジオ製作関連で参考にさせて頂いている別の著者に、鈴木憲次さんという方があります。この方の下記の書籍「ラジオ & ワイヤレス回路の設計・製作」という本には、超再生検波という手法で FM ラジオを作る章があります。私は試したことがないのですが、FM 検波の音質はあまり良くないということです。参考まで。