素人のアンテナ設計 (別名: 備忘録)

ちょっと脱線なのですが、AM 放送あるいは長波(標準電波とか)のアンテナを作りたくなってきました。いろいろ調べるとループアンテナが有効なようで、可能ならばコンデンサを並列に繋いで共振回路とすると良いようです。
まず AM 放送のアンテナです。巷にはストレートラジオ用のポリバリコンが売られていて、どうも 260pF のものが多いようです。さて、これが実際に 0〜260pF を可変できるとして、530kHz から 1600kHz まで共振させるには、どれくらいのインダクタと固定キャパシタが必要なのでしょうか。実は共振周波数の式  \omega=1/\sqrt{LC} を使うと、連立一次方程式が立てられて、簡単に求まることが分かりました。結果だけ書きますが、310uH と 32pF ほどになるようです。
次です。ループアンテナを巻く場合、同じ長さの電線を使うとして、大きなループを少ない回数巻くのと、小さなループをたくさん巻くのとどちらが良いのでしょうか。実際には、波長との兼ね合いでループアンテナの振る舞いが変わるそうですが、ここではそれは無視して、単純に誘導起電力の視点から考えます。そもそも電磁気学によれば、コイルに発生する誘導起電力は巻数に比例し、コイルを貫く磁束の単位時間変化にも比例します。磁束は磁束密度とコイルの断面積の積ですので、(空芯コイルでは)空気の透磁率を一定とすれば、断面積に比例することになります。同じ長さの電線で巻数を n 倍にすると断面積は 1/n^2 になりますから、誘導起電力だけの観点から言えば、大きなループで少なく巻いたほうが得のように思えます。(どうなのでしょうか?)
ただし問題は、コイルで得られるインダクタンスです。厳密な計算はさておき、そもそも長岡半太郎の計算によれば(← こういう言い回し、一度使ってみたかった)同じ長さの電線で単層空芯ソレノイドを巻く場合、巻数が少ないとインダクタンスは減っていきます。そうすると同じ共振周波数を得ようとするとキャパシタのサイズが増えていくことになります。バリコンの容量が同じですと、同調可能な周波数範囲が狭まってしまう、ということでしょうか。
以上、素人計算は終わりです。