ルビジウム周波数標準の試作、その…いくつだっけ?

今日も引き続き、試作をしています。今日の目的は、パイロット LED に流す電流を決めることと、10MHz 出力のアイソレーション用トランスの試作です。あともう一つは、発熱温度の測定です。
LED に関しては、unlock 警告用端子に赤色 LED を直結したとき 1.4mA が流れることが分かっていたので、電源パイロット用 LED にも、それとほぼ同等の電流を流すべく 24V 電源に 15kΩの抵抗を直列に付けてみました。いずれも暗いのですが、LED が点灯していることが分かれば良いので、良しとします。

バックパネルの発熱温度

まずは、室温を計りました。おおよそ、摂氏 18度です。次に、筐体をケースに収めないまま電源を投じ、1時間ほどして安定してから温度を測定してみました。バックパネルが摂氏 56度くらいで安定することを確認しました。電源電流は 0.4〜0.5A で落ち着きますので、筐体をそのまま空気中に放置したときの熱抵抗は 4K/W 程度でしょうか*1

出力アイソレーショントランス

この辺は、未だに理屈が分かっていないところです。まずは、カーボニル鉄のトロイダルコアである T30-2 を用意しました。そして、1次側、2次側それぞれの自己インダクタンスが 0.8uH になるように巻いてみました(それぞれ、14回巻き)。ここで、2次側に 49.9Ωの金属皮膜抵抗器を付け、1次側にアンテナアナライザを繋いでみます。しかし、10MHz を入力したときのインピーダンスは47Ω*2程度となり、また、2次側の出力が少し低めです。
2次側出力が低いのが気に入らなかったので、1次と 2次の結合が低いのだと決め付け、今度は bifilar 巻きにしてみました。出力電圧が 1〜2dB ほど上がったように見えたので、これで良しとしました。しかし、相変わらずインピーダンスが低めなので、巻数をもう少し増やしてみることにしました。最終的に、無理なく巻けるギリギリとして、1次、2次をそれぞれ 19回巻きにしてみました。インピーダンスが 50Ωを少し超えるくらいになりました。出力電圧に関しては、(50Ω終端において)トランスの有無で 1.7dB くらい違うように見えますが、それほど大きなロスではないので、これで手を打つことにしました。アンテナアナライザで測定したとき、やはり電流位相が 45度遅れくらいに見えますが、この辺の理由はあとでゆっくり考えてみることにします。(翌日の日記に続く。)

結合容量など測ってみた

風呂に入っているとき、ふと考えました。bifilar 巻きにしてみたけど、1次側と 2次側の間の結合容量はどんなものだろう? あまり結合容量が大きいと AC 的にアイソレーションにならないかも。(そんなことはないでしょうが、全て定量的な視点で確認してみることにします。)
これに関しては、RF 帯域で測定する必要はないので、今回購入したサンワの PC510 で測定してみました。DMM のプローブ間寄生容量を差し引いた値として、20pF 程度となりました。これは計算上、50Hz において 160MΩ程度に相当します。杞憂でした。

インダクタの容量成分

続いて、1次側、2次側それぞれの自己インダクタンスに発生する寄生(?)容量成分を考えてみました。まず分かっているのは、手元のアンテナアナライザによれば、このインダクタが 36MHz 以下では共振しないことです。つまり共振周波数から考えると、寄生容量は 10pF 以下であることが分かります。しかし、手持ちの機器を使って、もう少し良い値は推測できないものでしょうか。
ここからは、ある程度想像で行くしかないのですが、自己インダクタンスについていうと、10MHz で 1.8uH、36MHz で 1.4uH という値がアンテナアナライザによって「見えて」います。この値が妥当であり、この差がすべて、並列に繋がれた容量成分に起因すると仮定したとき、アドミッタンス計算などをゴニョゴニョすると、2pF という値が出てきました。今日は眠いので、また明日再計算してみますが、いずれにしても気にするような値ではないようです*3。(というか、36MHz で共振していない時点で、問題ないと理解すべきなのですが、とりあえず。)

再計算 (3月30日)

今日になって再計算してみたのですが、並列になっている L と C を未知数にして、10MHz と 36MHz のときのインピーダンスを既知として計算したら、C が負の値になってしまいました(T^T)。もう一度、測定をやり直してみようと思います。

*1:計算間違っているかも。

*2:理由はよく分からないのですが、レジスタンス成分とリアクタンス成分の絶対値がほぼ同じになり、つまり電流位相が 45度遅れくれいになりました。

*3:ちなみに、2pF という値が正しいとすると、共振周波数は 80MHz くらいになります。容量の見積もりが大きすぎかも、、、知れません。