周波数カウンタのためのプリスケーラ
現実逃避で、周波数カウンタの設計のことばかり考えてました。いままで見た設計で、一番印象深いのは、2010年 5月号の QEX 誌に出ていたものです。
PIC16 の外部入力カウンタで 55MHz をカウントし、プリスケーラをかまして 2.2GHz まで対応するという優れものです*1。入力レベルが 26mVrms でもカウントできるように RF フロントエンドが丁寧に作られていたり、電源部もしっかりしていて、好感を覚えました。ただし、プリスケーラに PCS 用の PLL LMX2326 (廃番)の一部だけを使ったり、なんとなく手持ち部品で作られたような印象です。
一方で、キットも探してみました。周波数カウンタというのは人気のようで、いろいろなキットが見つかりますが、例えばこんなのです。
これはお手軽な感じです。やはり PIC でカウントしていて、プリスケーラには ON Semiconductor の MC12080 を使っています。なあんだ、PLL を使わなくてもプリスケーラ専用 IC があるじゃん、と思いました。惜しむらくは、基準クロックに TCXO や外部同期を用意していない点です。
次は、こんなのです。
これも良くできています。基準クロックは、(オプションで?) TCXO もサポートしています。プリスケーラには MC12079 を使っています。MC12080 もそうなのですが、ちょっと入力レベルが不安で、400MHz 以下では -4dBm くらいしか保証していません。実際には、もっといけるのでしょうけど。
ところで最初、DFD4 と DFD4A の違いが分かりませんでした。製作ガイドをよく読んだところ、ようやく分かりました。前者は無線機の VFO に使うことを想定していて、測定周波数にオフセットをかませることができるのです。例えば実測 10MHz でも、これを 440MHz とか表示させることができるようです。
閑話休題。
ところで、今度は製品レベルの周波数カウンタを調べてみました。eBay やヤフオクを探すと、1万円くらいでアジレントやアドバンテストのカウンタが出ていますね。なんだか、自作する気力をそぐような、微妙な価格です*2。
また、アマチュアでもなんとか手が出そうな、こんな周波数カウンタ製品も見つけました。
同じメーカーの、もう少し安い製品としては
なんてのもあります。
測定器の自作まで手を出すと、だんだんと手段と目的の境界が曖昧になってきます。測定器などは eBay などで調達して、もっと実用的なものを作ったほうが良いのかなあ、なんて考えにもなります。