電波時計不要論
最近、5バンド対応とかいって複数の国で使える腕時計型の電波時計が売られています。私は電波時計には愛想を尽かしているので、もう全く興味をひかれません*1。そんな軽率な付加価値をつけるくらいだったら、初めから温度補償のついた水晶発振子でも載せたほうがマシだと思います*2。なんでこう、子供だましな付加価値で商品価値を高めようとするんでしょうか。
確かに製品によって性能違うと思うんですが、以下は私の経験です。
- 某社の電波時計は、ときどきあり得ない時刻(6時84分、とか)を表示する。どうも受信復号した時刻情報について、それが妥当なものかチェックしないで、そのまま時刻設定してしまうくさい*3。
- 窓のあるような部屋でも、電子機器が多くノイズレベルが高かったりすると、一週間近くほとんど受信できないことがある*4。たまにしか調整されないので、急に時刻がジャンプしたりして不愉快。おまけに電波時計は電波の受信を当てにしているせいか、「素」の精度が異様に低かったりします。想像ですが、JJY 受信回路にコストがかかるため、水晶発振子のコストに皺寄せが来ているのでしょう。
最初の問題ですが、実際、重要な打ち合わせのある日とか海外出張の朝とか、時刻が目茶目茶になってアラームが鳴らず、焦ったことがあります。つまり、結構高頻度で起きるのです。おまけに電池時計なので、急に電池がなくなることだってあります。昔の時計は電池がへたるとチリンチリンと情けない鳴り方をするので、電池がないことが分かるのですが。最近の電子音アラームだと、これも分かりにくいです。
もう、目覚時計なんて、昔のゼンマイ式時計が一番安全なんじゃないかって思いますよ。たとえ一日に 1分狂ったって、どれくらい狂うか連続的に予測がつくので致命的な問題になりません。5分狂った電波時計が急に正確な情報にジャンプするよりマシです。ゼンマイだって、出張の前の晩はしっかり巻いておけば良いわけです。
それにしても、長波の受信機がこんなに感度出ないなんて思わなかったです。波長が長いと回折が強くなって、部屋のどこでも受信できるんじゃなかったのか? もうほんと、最近の GPS 受信機は感度良いので、GPS で時計作ったほうがマシじゃないかって、思いますよ。高価になるでしょうけど。世界中どこでも受信できますしね。