PXL12090 を使った無停電電源を見せてもらった

APC の 1500VA クラスの UPS を見る機会があったので、中の電池を覗かせてもらいました。私は電源フェチなのです。
電池は 12V のシール鉛蓄電池の 4直列構成になっていて、公称 48V を供給していました。各電池は GS ユアサの PORTALAC PXL12090 というものでした。日本の GS ユアサのカタログには載っていませんが、特注品なのでしょうか。
仕様としては 9AH (20時間率)品だと思います。つまり、素バッテリーとしては 432WH (20時間率かつ効率 100% として)という計算になります。実際には、この UPS は 200W 負荷で 62分しか保証しないようですが、PXL12072 のカタログ値では 1C 放電で 42分とあるので、その場合はおよそ 2/3 に容量が落ちる計算です。1C で 42分なので、62分だと放電率はもっと小さいと思いますが、正弦波供給のダブルコンバージョン型としては、まあまあの性能でしょうか。ちなみにカタログ値では、効率 87% (最大負荷時)をうたっています。
あ、書き忘れましたが、製品名は SURTA1500XLJ というものです。この製品の最大の特長は、外部にバッテリーを増設して容量を簡単に増やせることです。(容量は増やせますが、負荷は最大で 1050W/1500VA です。) なお、一番の欠点は、無負荷時でも数十ワットの電力を自分で消費してしまう点のようです。ですので、負荷が数十ワットだと半分くらいしか恩恵に与れない計算です。

後記

この UPS は、上に書いたようにバッテリーを容易に増設できるのが特長です。以下のドキュメントを見ると分かるのですが、増設パックは、バッテリーをどんどんパラレルに繋いでいくだけ、というシンプルな設計です。既存のバッテリーと増設バッテリーの鮮度(?)が違うと、バッテリーの負担になりそうなので、注意が必要です。

そうそう。ちなみに使われているバッテリーは PXL12090 なのですが、サイズは PXL12072 と同じです。何か技術革新でもあるのでしょうか。非常に気になります。GS ユアサの方、こっそり教えてください。